MENU
COLUMN
コラム
ガーゼの巻き方が測定に影響します
ガーゼの巻き方が測定に影響する?
🔹湿度を測定する測定器に、乾湿度計があります。

🔹乾湿度計は、乾球温度計と湿球温度計の2本の温度計からなり、温度差によって相対湿度を求めます。
🔹湿球温度計の感温部には、水で常時湿らされたガーゼが巻かれています。
🔹ガーゼの巻き方で測定誤差が生じると注意事項に記載がありました。
🔹では、巻き方で実際にどのくらい誤差が生じるのか実験してみました。
ガーゼの巻き方を変え実験をしてみました
【実験】
2本用意したガラス温度計の一方にガーゼを巻き、乾球と湿球を作成しました。
実験毎にガーゼの巻き方を一重巻き、二重巻き、三重巻きにして、それぞれ湿度の測定をしました。
使用した機器
◇ハンディータイプ湿度温度計 HM70+HMP77 VAISALA製
測定範囲:0~90%rh 精度:15~25℃において±1%rh
◇水銀ガラス製温度計
測定範囲:0~50℃ 精度:±0.2℃

実験結果から
🔹実験の結果は、以下の様になりました。

🔹巻き方により、+1%rh、+3%rh、+4%rhの測定誤差が生じました。
ガーゼは、一重で感温部と隙間が無いように巻き付けることがポイントです
🔹ガーゼを何重にも巻くと、ガーゼの表面温度と感温部の温度に温度差が生じ測定誤差が生じることがわかりました。
🔹正しく測定を行うためには、
1.ガーゼは一重巻きにすること
2.感温部に隙間が無いように巻くこと
3.綺麗なガーゼを使用すること
がポイントです。

🔹ガーゼが汚れて固くなると、水をうまく吸い取らなくなります。その際は、ガーゼの汚れを落とし綺麗にするか、新しい物への交換が必要です。
🔹交換する際には、市販のガーゼや木綿糸には糊や脂肪が付着しているため、石鹸水で15分程度煮沸後、水で洗浄してから使用する事がポイントです。
🔹また、ガーゼを浸すポット内の水の汚れもガーゼの劣化の要因となります。
🔹以前、当社の恒温恒湿槽で湿球温度計のガーゼ(ウイック)の汚れが原因で、湿度が+2%高く表示され、またコントロールも不安定になったことがありました。
🔹そのため、当社の恒温恒湿槽で使用している湿球温度計のガーゼ(ウイック)は2ヶ月毎に交換し、ポット内の水の入れ替え、清掃を行うこととしています。
お役立ち情報に関する各ページ